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マルウェアに感染したらどうなる?症状や対処法を解説

Written by WizLANSCOPE編集部

マルウェアに感染したらどうなる?症状や対処法を解説


マルウェアとは、コンピューターやネットワークに対して不正な動作を行う「悪意のあるプログラム」の総称です。感染するとデータの窃取や改ざん、システム停止など、深刻な被害を引き起こす恐れがあります。

近年では、国内外を問わず、マルウェアによる被害が急増しており、多くの企業・組織が早急なセキュリティ対策を求められています。

また、近年報道などで注目を浴びているランサムウェアも、マルウェアの一種です。

本記事では、マルウェア感染時に見られる症状や実際の被害事例、感染時の対処法などを解説します。

▼本記事でわかること

  • マルウェア感染時の症状
  • マルウェア感染による被害事例
  • マルウェアへの対策
  • マルウェア感染時の対処法

また、万が一マルウェアに感染してしまった場合、被害を拡大しないために知っておきたい行動をまとめた資料もご用意しています。

本記事とあわせてぜひご確認ください。

マルウェア感染時のNG行動とは?

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マルウェアとは​


マルウェアとは、コンピューターやネットワークに対して不正な動作を行う「悪意のあるプログラム」の総称です。

近年話題となっているランサムウェアをはじめ、ワーム、トロイの木馬、スパイウェアなども、すべてマルウェアに該当します。

万が一マルウェアに感染した場合、個人情報や機密データの漏洩、デバイスやシステムの停止・破壊といった被害が発生する恐れがあります。これらは企業にとって、信頼の失墜や法的リスクに発展しかねない、極めて深刻な問題です。

マルウェアの感染力や攻撃手法は年々巧妙化・高度化しており、いまやマルウェア対策は、企業にとって欠かすことのできない重要なセキュリティ課題と言えるでしょう。

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近年のマルウェアの動向

マルウェアによる被害件数や被害規模は、2026年現在においても依然として発生しており、深刻な脅威となっています。

なかでも近年では、ランサムウェアによる攻撃が業務停止などの大規模な影響をもたらし、社会的にも大きな注目を集めました。

警察庁が令和7年9月に公表した「令和7年上半期における サイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」によると、令和7年(2025年)上半期におけるランサムウェアの被害報告件数は116件にのぼり、半期の件数としては令和4年(2022年)と並び過去最多となっています。

このような状況からも分かるとおり、ランサムウェアをはじめとするマルウェアへの対策は、企業が安定的かつ継続的に事業を運営していく上で、欠かすことのできない重要な取り組みといえるでしょう。

出典:警察庁|令和7年上半期における サイバー空間をめぐる脅威の情勢等について(令和7年9月)

マルウェア感染時の症状・兆候


マルウェアに感染すると、以下のような症状や兆候がみられることがあります。

  • 不審なポップアップやタブが繰り返し表示される
  • アプリケーションが不審な挙動を示す
  • 身に覚えのない動作やエラーが継続的に発生する

被害を最小限に抑えるためには、迅速かつ適切な初動対応が非常に重要です。

そのためにも、あらかじめ、マルウェア感染時にどのような症状が現れるのかを理解しておきましょう。

不審なポップアップやタブが繰り返し表示される

不審なポップアップ広告やタブ、身に覚えのないWebページが繰り返し表示される場合、デバイスにマルウェアがインストールされている可能性があります。

特に、通常の操作では表示されない広告や警告画面が頻発する場合には、注意が必要です。

アプリケーションが不審な挙動を示す

日常的に使用しているアプリケーションが、急に不審な動作をするようになった場合も、マルウェアが影響している可能性が考えられます。

特に、以下のような違和感が見られた場合は、速やかにマルウェア感染の調査をすることが推奨されます。

  • 操作していないのにも関わらず、アプリが勝手に起動・動作する
  • ログインした記憶がないにも関わらず、操作ログや履歴が残っている
  • インストールした覚えのないアプリケーションがデバイス内に存在している

身に覚えのない動作やエラーが継続的に発生する

以下のような「身に覚えのない不審な挙動」が継続して見られる場合も、マルウェアへの感染が疑われます。

  • 勝手なメール送信やSNS投稿など、身に覚えのない通信が行われた履歴がある
  • 記憶にない発信履歴や、身に覚えのない宛先が残っている
  • 身に覚えのない支払い請求が届く(不審なデータ通信量の増加や、アプリ内課金など)
  • 普段利用しない時間帯に通信が発生している

マルウェアを放置すると、ネットワーク内で感染が拡大し、被害がさらに広がる恐れがあります。

そのため、どんなに小さな兆候であっても見逃さず、できるだけ早い段階で適切な対処を行うことが重要です。

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マルウェアの主な感染経路・原因


マルウェアの主な感染経路として、以下のようなものが挙げられます。

  • メールの添付ファイルや本文中のリンク
  • 不審なWebサイトへのアクセス
  • USBメモリなどの外部記録媒体
  • 不審なソフトウェアやアプリケーションのインストール
  • VPN機器やリモートデスクトップの脆弱性の悪用

これらの感染経路の中でも、代表的なのがメールの添付ファイルやリンクを介した感染です。

攻撃者は、社内連絡や取引先を装ったメールを送信し、マルウェアが仕込まれたファイルを開封させることで感染を引き起こします。

また、メール本文中のリンクをクリックさせ、不審なWebサイトへ誘導する手口も多く確認されています。

Webサイト経由の感染では、サイト自体にマルウェアが仕掛けられているケースに加え、ダウンロードしたソフトウェアやアプリケーションにマルウェアが含まれている場合もあります。

さらに、近年のリモートワークの普及に伴い、個人や企業が利用するVPN機器やリモートデスクトップの脆弱性を狙って侵入した後、マルウェア感染させるパターンも確認されています。

マルウェアの感染経路についてより詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

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マルウェアの種類

5種類のマルウェアの図
マルウェアには複数の種類があり、代表的な例として以下のようなものが挙げられます。

  • ウイルス
  • ワーム
  • トロイの木馬
  • ランサムウェア
  • スパイウェア
  • アドウェア

ここでは、セキュリティ担当者・情シス担当者なら覚えておきたい、6種類のマルウェアについて紹介します。

ウイルス

ウイルスは、他のプログラムやファイルに寄生して動作する不正なプログラムです。

ユーザーがウイルスに感染したファイルを実行することでウイルスが起動し、別のファイルやシステムにも感染を拡大します。

ウイルスは、それ単体では動作することができず、正規のアプリケーションや文書ファイルに組み込まれることで拡散します。

感染したプログラムが実行されると、システム破壊やデータ改ざん、他のファイルへの感染拡大などを引き起こします。

ワーム

ワームとは、他のプログラムに寄生することなく、単独で動作する不正なプログラムです。

多くのマルウェアは、他のアプリケーションやプログラムに組み込まれて動作しますが、ワームはデバイスに侵入すると単体で動作し、自分で増殖することができます。

この自己増殖を繰り返す特性により、感染したデバイスの記憶領域を圧迫し、処理速度の低下やシステム停止といった深刻な影響を引き起こします。

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トロイの木馬

「トロイの木馬」とは、一見すると正規のアプリケーションやデータに見せかけて配布されるマルウェアです。

ユーザーがインストールやファイルの実行など、特定の動作を行ったことをきっかけに、不正なプログラムが動作します。

トロイの木馬が実行されると、デバイスを外部から不正に操作できるようになったり、デバイス上のパスワードや個人情報を不正に収集されたりする恐れがあります。

さらに、データを改ざんや削除などの被害が引き起こされる可能性もあります。

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ランサムウェア

近年、特に話題に上がることの多い「ランサムウェア」も、マルウェアの一種です。

ランサムウェアに感染すると、デバイス内のデータが暗号化され、操作不能になったり、正常に起動できなくなったりします。

ランサムウェアの主な目的は身代金の要求であり、攻撃者は暗号化したデータの復号と引き換えに、金銭の支払いを要求します。

さらに近年では、この暗号化の復号に加え、窃取したデータの公開を引き換えに金銭を要求する「二重恐喝」と呼ばれる手口も増加しています。

なお、ランサムウェアでは、金銭を支払ったとしても必ずしも暗号化が解除されるとは限りません。

そのため、安易に身代金を支払うという判断を避け、冷静に初動対応を取ることが非常に重要です。

ランサムウェアについてより詳しく知りたい方は、下記の記事をあわせてご確認ください。

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スパイウェア

スパイウェアとは、個人情報や機密情報などを不正に収集することを目的としたマルウェアです。

スパイウェアがデバイスに仕込まれると、ユーザーに気づかれないままデバイス内のデータを秘密裏に収集し、攻撃者のもとへ転送します。

その結果、知らないうちに大量の個人情報や機密情報が流出し、不正利用や情報のばらまきなど、深刻な被害へと発展する可能性があります。

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スパイウェアとは?知らない間に情報が漏洩?!有効な対策を解説

アドウェア

アドウェアとは、広告を表示させることで、収益を得ることを目的としたソフトウェアです。

単純に宣伝や広告収入を目的として利用されるものであれば問題ありませんが、アドウェアの中には、スパイウェアのようにデータを無断で外部に転送したり、個人情報の入力を促して不正に窃取したりするなど、悪質な挙動を示すものも存在します。

このような悪質なアドウェアは、マルウェアとして扱われる場合があり、注意が必要です。

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マルウェアの特徴整理

種類 特徴
ウイルス ・他のプログラムやファイルに寄生して動作する
・システム破壊やデータ改ざん、他のファイルへの感染拡大などを引き起こす
ワーム ・自ら増殖する特性をもち、ネットワークを介して感染を拡大する
・デバイスに過度な負担をかけ、動作停止などの被害を引き起こす
トロイの木馬 ・アプリケーションやファイルに擬態し、ユーザーに実行させることで、悪意のあるプログラムを取り込ませる
・特定の動作をきっかけに、不正なプログラムが働き、感染が成立する
ランサムウェア ・デバイスのファイルやデータを暗号化する
・暗号化の解除と引き換えに高額な身代金を要求するのが特徴
スパイウェア ・ユーザーのプライバシーを侵害する悪意あるソフトウェア
・デバイス内の情報を自動収集し、無断で外部へ送信する
アドウェア ・広告を表示することで収益を得ることを目的とした悪質なソフトウェア
・無料ソフトのダウンロード時などに同梱され、感染するケースが多い

マルウェアに感染した場合の被害リスク


マルウェアに感染すると、以下のような被害リスクが引き起こされる可能性があります。

  • デバイス内のデータ破壊や改ざん
  • 個人情報・機密情報の漏洩
  • システムダウンやサービスの停止
  • 脅迫による金銭要求や情報の公開
  • オンラインバンキングの不正利用などによる金銭被害
  • 損害賠償の発生や企業・組織の信頼失墜
  • 他のサイバー攻撃への加担(踏み台化)

マルウェアによってデバイスのデータが改ざん・破壊されると、著しいパフォーマンスの低下や意図しない動作が発生する可能性があります。

また、デバイス内に保存されている個人情報・機密情報を窃取された場合、オンラインサービスの悪用による不正請求や、ランサムウェアによる金銭被害・業務停止に発展するケースも少なくありません。

さらに、ビジネスやサービスが長期間停止したり、個人情報漏洩によって顧客からの信頼が損なわれたりするなど、マルウェア感染が企業・組織にもたらす影響は極めて甚大です。

このような被害を防ぐためには、企業・組織が「マルウェア対策」を重要な経営課題として認識し、セキュリティ体制の確立したうえで、高性能なセキュリティソリューションを導入することが推奨されます。

マルウェア感染の被害事例

国内で実際に発生したマルウェア感染による被害事例を紹介します。

2025年10月、オフィス用品を中心に、現場用品や医療・介護用品などを取り扱う大手通信販売会社がランサムウェア攻撃を受けました。

この影響により、長期間にわたるサービス停止や、顧客情報を含むデータの漏洩が発生しました。

原因として、業務委託先に付与していた管理者アカウントの ID・パスワードが漏洩し、不正アクセスを受けたことが報告されています。

なお、この業務委託先には、例外的に多要素認証が適用されていなかったことも判明しています。

侵害の範囲は外部のクラウドサービスやデータセンターにまで及び、結果として顧客や従業員の個人情報が約74万件漏洩しました。

また、全サイトの復旧までには約3か月を要するなど、長期にわたって事業へ深刻な影響を及ぼす事態となりました。

当該企業は再発防止策として、すべてのリモートアクセスに対する多要素認証の徹底、管理者権限の厳格な運用、さらにランサムウェア攻撃を想定したバックアップ環境の構築などを進めるとしています。

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マルウェアに感染しないための対策


マルウェア感染を防ぐために、企業が実施すべき基本的な対策を4つ紹介します。

  • 最新のアンチウイルスソフトの導入
  • OS・ソフトウェアの最新化
  • 従業員向けのセキュリティ教育の実施
  • 多要素認証の導入

詳しく確認していきましょう。

最新のアンチウイルスソフトの導入

マルウェア感染を防ぐためには、「アンチウイルスソフト」の導入が欠かせません。

アンチウイルスとは、コンピューターウイルスやマルウェアから、システムを保護するために設計されたプログラムのことで、企業向けには「EPP(Endpoint Protection Platform)」と呼ばれることもあります。

アンチウイルスソフトを導入することで、デバイスに侵入しようとする不審なプログラムを侵入前に検知し、自動的にマルウェアかどうかを判別したうえで、隔離・駆除することが可能になります。

なお、アンチウイルス製品を選定する際は、以下のポイントを総合的に考慮し、最新の脅威にも対応できる製品を導入することが重要です。

  • 未知・既知を問わずマルウェアを検知できるか
  • 誤検知は少ないか
  • 対応デバイスやOSは要件に合っているか
  • 運用コストや管理負荷が過度にかからないか

また近年では、スマートフォンやタブレットを標的としたマルウェアも増加しています。

業務で利用しているスマートフォンやタブレットがマルウェアに感染すると、接続先である社内ネットワークへと感染が拡大し、結果として被害が大規模化するケースも少なくありません。

そのため、業務でモバイルデバイスを利用する機会が多い企業においては、PCだけでなく、スマートフォンやタブレットにも対応したアンチウイルス製品を選ぶことが重要です。

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OSやソフトウェアの最新化

自社で利用しているOS・ソフトウェアを常に最新の状態に保つことは、基本的かつ重要なセキュリティ対策の一つです。

OSやソフトウェアを提供するベンダーは、脆弱性を悪用したサイバー攻撃を防ぐために、「セキュリティパッチ」と呼ばれる更新プログラムを開発し、定期的に提供しています。

このセキュリティパッチを適用しないままOSやソフトウェアを使い続けると、既知の脆弱性が放置され、攻撃者にとって格好の標的となってしまいます。

マルウェア侵入のきっかけを与えないためにも、OSやソフトウェアのアップデートおよびセキュリティパッチの適用は、計画的かつ確実に実施することが重要です。

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従業員向けのセキュリティ教育の実施

どれほど高精度なセキュリティソリューションを導入しても、従業員のセキュリティ意識が低いままでは、不審なメールの添付ファイルを開いたり、不正なWebサイトを閲覧したりといった行動を安易にとってしまう可能性があります。

そのため、従業員に対して「不審なURLやファイル、ソフトウェアなどを開かない・使用しない」といった基本的なルールを周知し、継続的な情報セキュリティ教育を実施することが重要です。

▼注意すべきアクション

  • 信頼性の低いWebサイトを閲覧しない
  • 安易に添付ファイルやURLを開かない
  • 身に覚えのないメールやSMSは無視する
  • 不用意にフォームへ個人情報を入力しない
  • 不審・不明なソフトウェアはインストールしない

これらの基本的な注意点を押さえるだけでも、従業員の不注意によるマルウェア感染リスクを大幅に低減することが可能です。

また、従業員一人ひとりのセキュリティ意識を高めることは、マルウェア感染対策だけでなく、悪質なメールやWebサイトを通じて個人情報を窃取する「フィッシング詐欺」被害の防止にもつながります。

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多要素認証の導入

多要素認証(MFA)とは、ユーザーの身元確認のため、「知識情報」「所持情報」「生体情報」のうち、2つ以上の要素を組み合わせるセキュリティ手法です。

知識情報 ・パスワードなどの特定のユーザーのみが知っている情報
所持情報 ・スマートフォンやICカードなど利用者本人が所持している情報
生体情報 ・指紋や静脈、顔、虹彩など、本人固有の身体情報

一般的なIDとパスワードによる認証の場合、マルウェア感染やフィッシング攻撃で情報が漏洩すると、第三者に不正利用されるリスクがあります。

特に昨今では、攻撃者に認証を突破され、不正な操作によってマルウェアを実行されるケースが確認されています。

一方で複数の要素で認証を行う多要素認証の場合は、ID・パスワードのみに依存しない認証方法であるため、万が一ID・パスワードを窃取されても、不正アクセスのリスクを大幅に低減できます。

そのため、外部からのアクセスが可能な社内システムやクラウドサービスには、多要素認証の導入が推奨されます。

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マルウェア感染時の対処法

万が一マルウェアに感染してしまった場合は、被害拡大を防ぐためにも、以下の手順をできるだけ速やかに、かつ適切に実施することが重要です。

  • 手順(1):感染デバイスをネットワークから隔離する
  • 手順(2):感染内容や影響範囲を特定する
  • 手順(3):警察庁や関連企業・インシデント対応サービスに相談・連絡する
  • 手順(4):被害の最小化および原状回復を行う

迅速な初動対応は、被害の最小化に直結します。万が一の事態に備え、感染時に取るべき行動をあらかじめ把握しておくことが重要です。

手順(1):感染デバイスをネットワークから隔離する

マルウェア感染の疑いがある場合は、まず速やかに管理者へ報告した上で、該当デバイスを直ちにネットワークから隔離します。

ネットワークに接続したままの状態を続けると、該当デバイスを経由して他のデバイスやサーバーにマルウェアが拡散し、被害がさらに深刻化する恐れがあります。

初動対応を行う際は、決して自己判断で対応せず、必ず管理者の指示に従って行動することが重要です。

組織のルールに基づいて適切な対処が行われない場合、被害が拡大するだけでなく、感染経路や原因の特定が困難になる可能性もあります。

定められた手順を遵守し、慎重に対応するようにしましょう。

また、情報システム部門の担当者は、報告内容を踏まえて被害状況を確認し、デバイス単位での隔離だけでなく、ネットワークごとの隔離を検討するなど、状況に応じて最適な対処を行なってください。

手順(2):感染源や範囲を特定する

感染が疑われるデバイスをネットワークから隔離できたら、次に感染内容や影響範囲の特定を行いましょう。

マルウェアの種類や感染状況によって、適切な対処方法や復旧手順は異なります。そのため、症状やログなどを確認し、被害の全体像を把握することが重要です。

また、感染内容によっては、OSやアプリケーションの再インストールが必要になるケースもあります。こうした事態に備え、データのバックアップは日頃から定期的に取得しておくことが欠かせません。

バックアップを取得する際は、以下の要件を意識して取り組むことが推奨されます。これは、「3-2-1-1-0バックアップルール」の考え方に基づいたものです。

  • 本番用コピーを含め、最低3つのデータコピーを保持する
  • 2種類以上の異なるストレージメディアにバックアップを保存する
  • 少なくとも1つのコピーはオフライン環境で保管する
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手順(3):警察庁や関連企業・インシデント対応サービスに問い合わせる

感染内容や影響範囲の特定と並行して、関係機関への報告・相談も忘れずに行うことが重要です。

主に、以下の機関への連絡が想定されます。

  • 警察庁
  • 個人情報保護委員会
  • 監督官庁

マルウェアを用いた攻撃は、サイバー犯罪に該当するケースもあるため、安易に社内対応のみで完結させるべきではありません。

被害状況に応じて警察庁へ相談し、指示を仰ぐことが求められます。

また、マルウェア感染によって、従業員や顧客の個人情報が漏洩した場合には、個人情報保護委員会への報告が必要となります。

そのほかにも、取引先や関連企業へ速やかに連絡して注意喚起を行ったり、専門のインシデント対応サービスへ問い合わせたりすることで、被害の拡大防止や早期復旧につなげることが重要です。

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手順(4):被害の最小化と原状回復を行う

手順(3)までの対応が完了したら、次に被害を最小限に抑えたうえで、マルウェア感染前の状態へ復旧する作業に移ります。

一般的に、感染済みのデバイスからマルウェアを完全に駆除することは難しいです。一見すると正常に動作しているように見えても、システムの一部にマルウェアが残存しているケースも多く報告されています。

確実にマルウェアを除去して、安全な状態に戻すためには、OSの再インストールを行う方法が安全とされています。

再インストール後は、あらかじめ取得していたバックアップデータを用いて、必要なデータの復旧を行いましょう。

なお、マルウェア感染の被害規模が大きい場合や、影響範囲の特定が難しい場合などは、外部の専門サービスに調査や復旧を依頼することも有効な選択肢です。

LANSCOPE サイバープロテクションでは、マルウェア感染時の調査から復旧までを支援する「インシデント対応パッケージ」を提供しています。

自社だけでの対応に不安がある場合は、ぜひ活用をご検討ください。

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インシデント対応パッケージとは│LANSCOPE サイバープロテクション

万が一、マルウェアに感染した場合は?迅速な復旧を実現する「インシデント対応パッケージ」


本記事で解説した通り、マルウェアに感染した場合は、適切な初期対応によって被害の拡大を防ぎ、復旧に向けた的確な対処を講じることが極めて重要です。

しかし実際は、「何から手をつけていいかわからない」「自社だけで対応することが不安」などの悩みを抱える企業・組織は少なくありません。

こうした緊急時の課題に対して、セキュリティの専門家が早期解決を支援するサービスとして、LANSCOPE サイバープロテクションの「インシデント対応パッケージ」を紹介します。

「インシデント対応パッケージ」は、フォレンジック調査のスペシャリストが、原因の特定と封じ込め、影響範囲の調査を行い、いち早い復旧を支援します。

「ランサムウェアに感染したかもしれない」 「サイトに不正ログインされた痕跡がある」 など、不審な挙動が見られたら、すぐにご連絡ください。

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AIを使った次世代型アンチウイルス「LANSCOPE サイバープロテクション」


マルウェアは、1日に100万個作られているとも言われており、従来のパターンマッチング方式のアンチウイルスでは、十分な検知・遮断が難しくなっています。

こうした背景を踏まえ、攻撃者が作成したばかりのまだ使われていないマルウェアであっても、ファイルの特徴や挙動から判定し、未然に防御できる「次世代型アンチウイルス」の必要性が高まっています。

「LANSCOPE サイバープロテクション」では、AI(人工知能)を活用し、高い検知率で企業をセキュリティリスクから守る2種類のアンチウイルスを提供しています。

  • 世界トップレベルの専門家が24時間365日監視するMDRサービス「Aurora Managed Endpoint Defense」
  • 各種ファイル・デバイスに対応した次世代型アンチウイルス「Deep Instinct」

それぞれの特長と導入メリットについて、簡単にご紹介します。

世界トップレベルの専門家が24時間365日監視するMDRサービス「Aurora Managed Endpoint Defense」


「LANSCOPE サイバープロテクション」では、EDRのマネージドサービス「Aurora Managed Endpoint Defense」を提供しています。

「Aurora Managed Endpoint Defense 」は、アンチウイルスとEDRを併用し、エンドポイントを内外から保護するセキュリティソリューションです。

マルウェアを防御するアンチウイルスは、EDRと掛け合わせることで、より強固なエンドポイントセキュリティ体制を確立できますが、高度なエンドポイントセキュリティ製品を導入しても、適切に運用できなければ意味がありません。

「Aurora Managed Endpoint Defense」は、下記の2種類のセキュリティソリューションの運用を、お客様の代わりにセキュリティのスペシャリストが実施するMDRサービスです。 

  • 脅威の侵入をブロックするAIアンチウイルス「Aurora Protect」
  • 侵入後の脅威を検知し対処するEDR「Aurora Focus」

セキュリティのスペシャリストが徹底したアラート管理を行うため、お客様にとって本当に必要なアラートのみを厳選して通知することが可能になり、不要なアラートに対応する必要がなくなります。

また、緊急時にはお客様の代わりにサイバー攻撃へ即時で対応するため、業務負荷を減らし、安心して本来の仕事へ集中していただけます。

「Aurora Managed Endpoint Defense」についてより詳しく知りたい方は、下記のページをご確認ください。

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各種ファイル・デバイスに対応した次世代型アンチウイルス「Deep Instinct」


「LANSCOPE サイバープロテクション」では、 AI(ディープラーニング)を活用した次世代ウイルス対策ソフト「Deep Instinct」を提供しています。

下記のようなセキュリティ課題をお持ちの企業・組織の方は、 検知率99%以上のアンチウイルス製品「Deep Instinct」の利用がおすすめです。※

  • 未知のマルウェアも検知したい
  • 実行ファイル以外のファイル形式(Excel、PDF、zipなど)にも対応できる製品が必要
  • 手頃な価格で高性能なアンチウイルスを導入したい

近年の攻撃者は、セキュリティ製品から検知を逃れるため、実行ファイルだけでなくExcelやPDF・zipなど、多様な形式のマルウェアを仕掛けてきます。

「Deep Instinct」は、形式を問わずにさまざまなファイルに対応しているため、多様な形式のマルウェアを検知可能です。

「Deep Instinct」は、手ごろな価格設定も魅力です。詳細は以下よりご覧ください。
※Unit221B社調べ

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未知のウイルスを防ぐ次世代型アンチウイルス「Deep Instinct」とは

まとめ

本記事では「マルウェア感染」をテーマに、感染時の症状や感染経路、感染時の対処法などを解説しました。

本記事のまとめ

  • マルウェアに感染すると、不審なポップアップやタブが繰り返し表示されたり、身に覚えのない動作やエラーが継続的に発生したりするなど、通常とは異なる挙動が発生する
  • マルウェアの主な感染経路としては、「メールの添付ファイルや本文中のリンク」「不審なWebサイトへのアクセス」「USBメモリなどの外部記録媒体」「不審なソフトウェアやアプリケーションのインストール」「VPN機器やリモートデスクトップの脆弱性の悪用」などが挙げられる
  • マルウェア感染を防ぐためには、「最新のアンチウイルスソフトの導入」「OS・ソフトウェアの最新化」「従業員へのセキュリティ教育の実施」「多要素認証の導入」といった対策を講じることが重要
  • 万が一マルウェアに感染してしまった場合は、速やかに感染デバイスをネットワークから隔離したうえで、被害を最小限に抑えるための初動対応を行う必要がある
  • マルウェア感染が発覚した場合は、安易に社内対応のみで完結させず、関係機関への報告・相談も忘れずに行うことが重要

情報窃取や改ざんなど、さまざまな被害をもたらすマルウェアは、企業や組織にとって信頼の喪失や生産性の低下などにつながる重大な課題のひとつです。

ぜひ本記事を参考に、自社のマルウェア対策が十分に講じられているか、改めて見直してみてください。

また、マルウェア対策を検討している企業・組織の方に向けて、万が一マルウェアに感染した場合のNG行動と正しい対処法についてまとめた資料もご用意しています。

ぜひ本記事とあわせてご活用ください。

マルウェア感染時のNG行動とは?

「えっ!それやっちゃダメだったの!?」マルウェア感染の被害を拡大しないために知っておきたいNG行動をまとめました。専門家が教える感染時の正しい対処法もお伝えします。

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